
グラフィックデザイナーとイラストレーターの違いとは何ですか・・・
どっちを目指すほうがいいでしょうか

私が両方の経験があるので詳しく語れるかと思います。
一般の方だとこの二つの職業を同じようなものだと
思っている人もいます。
両者の仕事の違い、考え方、思考の違いなど詳しく解説し、
これからどちらかを目指している方に向けて発信します。
グラフィックデザイナーとイラストレーターの違い【目指す人は違いを知っておこう】

- グラフィックデザイナーとイラストレーターの違い、比較
- グラフィックデザイナーのなり方
- イラストレーターのなり方
- グラフィックデザイナー・イラストレーターのスクール、学校の違い
- グラフィックデザイナー・イラストレーターの給料の違い
- グラフィックデザイナーに必要なスキルや要素
- イラストレーターに必要なスキルや要素
- イラストレーターとグラフィックデザイナーは兼業できるか
- グラフィックデザイナー→イラストレーターは比較的簡単だけど、イラストレーター→グラフィックデザイナーは難しい

この辺りを詳しく解説します。
グラフィックデザイナーとイラストレーターの違い、比較
両者の違いを解説していきます。
まずグラフィックデザイナーの仕事内容がこちら
- 主な作成物はロゴ、新聞、広告、パンフレット、ポスター、カタログ、DM、看板、店内マップ、ピクトグラム、本、パッケージ、印刷物、バナー、サムネイル等々
- デザインで情報を分かりやすく整理して誤解なく伝える
- 効果的な上記の作成物を作ることで生活を便利で分かりやすくする

人に情報を伝えることが大きな役割です。
そうすることで、生活が便利になったり、ものが売れたり
問題が解決したりします。
”主に平面でのデザインで行う”というのが特徴かと思います。
- 商業イラストの作成
- ポスター、出版物、本、の表紙や、中の挿絵の作成
- キャラクターデザイン

VENVEN
名前の通り、絵を描く仕事です。
ただし、あくまで要望に沿ったイラストを作成するので、
自分の表現したいものを描くといったことは少ないです。
自分の表現したいものを描くといったことを仕事にしている人は、名前の売れている仕事を選べる立場のイラストレーターです。
そうでない場合、イラストレーターとしてあまりに自分の描きたいことを優先すると
「あ、この人はアーティストだな」と思われ、仕事を貰えなくなることもあります。
しかしもし、名前が売れて周りから「あなたに絵を描いてもらいたい」と思われるようになれば、ある程度自由に絵を描くことも可能でしょう。

ブランディングが大事。イラストレーターとして成功するなら最終地点はそこだね。
途中少し話がそれましたが、両者の仕事内容はそんな感じです。
グラフィックデザイナーは作成物全体を作るのに対して、イラストレーターは作成物のイラスト部分のみを担っています。
だからと言ってイラストレーターの仕事が重要度が低いかといえばそうではなく、イラストが変わればデザイン全体のイメージはかなり変わってしまうので重要な仕事なのです。
やっていることが、違うので明確に違いはあるのですが、近年ではその違いが曖昧になってきていて、私はその理由がこうあると思っています。
- 使っているソフトがほぼ同じ
- 作っているものが似ている
- 身に付けないといけないスキルの差が分かりにくい
- 働く環境がほぼ同じ
- 兼任するケースが増えている

はたから見ると同じなんです。
最近は、デザインに費用を掛けなくなったり、広告費を抑えたりが原因で、イラストレーターを使わず、グラフィックデザイナーがイラストも描くというケースが増えてます。
イラストレーターもイラストのみでは売り上げが立たないため、同じ仕事環境で出来るグラフィックデザインをする場合が多いのです。

両方できるのが一番いいです。
グラフィックデザイナー、イラストレーターそれぞれのなり方

極端な話、両社とも資格等は不要で実力さえあれば仕事をすることはできます。実力があれば仕事を頼まれるし、なければ依頼はされないでしょう。
そういった知識の勉強や訓練は、スクールでも行えますし、独学でやってしまう優秀な人もいます。
グラフィックデザインを学びたいなら、スクールに通って学ぶのが近道
- スクールで基本的な知識、スキルを学ぶ
- ポートフォリオを作る(肝です)
- 就職活動(ポートフォリオが必ず必要)
- 内定
スクールは専門学校や数か月間で学ぶタイプのものもあります。後者はだいたいがソフトの使い方に特化している場合が多いのでデザインの基礎は独学することになります。
また、高校にもデザイン科があるので、早い段階でデザインに興味が出た場合は検討してみるといいでしょう。

学力に自信がない人におススメです。
単にグラフィックデザインを学ぶことだったら独学でも可能ですが、その先の就職となるとハードルがかなり上がります。
ポートフォリオと呼ばれる作品集や、作品紹介サイトを作って就職先にアピールする必要があるからです。
これを独学で自分の考えのみで作成するのがかなり難しく、他人の意見を取り入れ反映させなければ、良いポートフォリオになりにくいです。

一人よがりのデザインではクオリティに限界があるのです。
そしてより高度なグラフィックデザインを学びたいなら、ムサビ(武蔵野美術大学)やタマビ(多摩美術大学)といった大学など、優秀な人たちに囲まれ実力をつけていく必要があります。
こういった経歴はグラフィックデザイナーの世界ではかなり重要で、トップクラスのグラフィックデザインを担いたいなら必ず必要になってきます。

トップのグラフィックデザイナーはほぼほぼ、有名美大を出ています。
グラフィックデザインは、一般の人には良し悪しが判断しづらいため、
ポートフォリオという何がどのレベルで作れるのかという”証拠”と今までの経歴が重要なのです。
イラストレーターは独学し、SNS発信し賞に応募しまくる
- イラストを描く
- とにかくイラストを描き作品を溜める
- イラストと自分をアピールする(SNS 賞の受賞 個展など)
- 誰かの目に留まり、仕事を請け負う
グラフィックデザイナーとは違い、イラストレーター単体だと、名前が売れなければ仕事を貰うことは難しいです。
運の要素もありますが、本当に魅力的なイラストというのは、口コミで広がりやすいです。発信を続けていきましょう。
イラストレーターはとにかく魅力あるイラストを描ければよいので、とにかく描きまくって何かしらの賞に応募することが大切です。
そうすることで自分の実力を証明できるからです。今ではSNS発信が有効で、ネットを通して全国に作品をアピールできます。
続けていれば個展などを開いて見に来てもらうよりもはるかにコスパがよく多くの人に見てもらえるでしょう。
作った作品をポートフォリオにまとめ「私はこんな絵が描けます!」とアピールしましょう。
こちらは経歴は一切関係ないと言ってもいいです。
企業に就職して専属イラストレーターという形で働けるケースはほぼ無いので、フリーランスとして働くのが一般的です。


医療イラスト、メディカルイラストと呼ばれる分野は、企業がイラストレーターを募集していたりします。
絶対数は少ないですが、安定したイラストレーターを目指しているのであれば考えてみましょう。
プラス医療の知識が必要です。
必要最低限のスキルの話からしておきます。
- Photoshop
- Illustrator
- IN DESIGN(本などページものをデザインする場合)
- 色彩に関する知識
- レイアウトに関する知識
ソフトの使い方をマスターしてもグラフィックデザインの基礎知識を身に付けていないと、きれいなデザインはできないです。
日々勉強し、いいデザインを作れるように努力しましょう。
- Photoshop
- Illustrator
- ペイントソフト(SAI・CLIPSTUDIOなど)
- デッサン力
- 特徴、強味


どんなものが描けるのかが何より大切です。
特徴や強味が明確化しているイラストレーターは仕事を頼みやすいです。
グラフィックデザイナー・イラストレーターのスクール、学校の違い


学ぶという点においては、どれだけ真剣に向き合っているかが重要なのでやはり、有名美術系の大学が一番です。
就職先という点においても、有名大学を優秀な成績で卒業していれば、電通、博報堂などの企業に就職しやすくなります。
- 入学に試験がある
- 真剣にその道を目指している人が比較的多い
- 引退したデザイナーが教授として教えてくれることが多い


有名大学になればなるほど優秀な人がいっぱいいます。
- 授業料を払えば誰でも入学できる
- ほとんど2年制なので、時間は大切
- 現役デザイナーが講師をしていることも多い


大学に比べて意識の高い人は少ないです。
現役デザイナーが教えているのは良い点です。
クリエイタースキルを学べるスクールがあるのでご紹介です。分野的にもデザイナー、イラストレーター、漫画、アニメーションなど幅が広いので、興味のある方はどうぞ
グラフィックデザイナー、イラストレーターの報酬、給料について
グラフィックデザイナーの給料はすべての職業の平均よりやや下です。
詳しくはこちらにまとめています
イラストレータの給料は実力次第です。
100万円未満 | 52.5% |
100万~200万円未満 | 24.6% |
200万~350万円未満 | 13.1% |
350万~500万円未満 | 5.7% |
500万~800万円未満 | 1.6% |
800万円~ | 2.5% |
こんな感じでかなり安いです。半分以上が100万円を超えていないので、人気が出なければ給料も上がらないでしょう。


絵が描ければお金は安くてもいいというマインドの人が多く、それも大きな理由の一つかと思いますね。
イラストレーターとグラフィックデザイナーは兼業できるか


というか、兼業するべきだと私は思います。綺麗なグラフィックデザインができると、イラストを描くにもかなり恩恵が多いからです。
見やすいバランス、綺麗な配色などグラフィックデザインで身に付いたスキルや感覚は必ず、イラストのレベルを上げてくれます。
ただし、グラフィックデザインとイラストは使っている脳が違う
同じような仕事ではあるものの、実は使っている脳が反対です。
グラフィックデザインは、左脳(言語や計算、論理的な領域)
イラストは、右脳(イメージ、感覚、直観、想像力など)
やってみると分かりますが完全に使っている脳は違うので、同時に行うのは難しく”切り替え”が必要です。
グラフィックデザイナー→イラストレーターは比較的簡単だけど、イラストレーター→グラフィックデザイナーは難しい
私もイラストからグラフィックデザインに入った口で、かなり遠回りをした人です。
イラストレーターとしての考え方やマインドがあると、デザインにかなり支障が出てきやすくデザイナーの仕事である「情報をまとめる」という作業がかなり難しくなります。
デザインはいくつもの情報を考えるマルチタスクなのですが、イラストはほぼほぼシングルタスクです。
1つのことに集中するシングルタスク脳でマルチタスクをこなすのはかなり大変です。
こればかりはいくら書いても伝わらないと思いますが、
もし私と同じようにイラスト→グラフィックデザイナーの道をたどる人は意識しておくことをお勧めします。
逆にグラフィックデザイナーがイラストレーターになるのはそこまで苦ではないですが、
描きこみ量やこだわりにおいては生粋のイラストレーターには適わないことが多いです。
ということで今回はこのあたりで〆たいと思います。
お役に立てれば幸いです。
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