
グラフィックデザインとは何ですか?
グラフィックデザイナーとは具体的に何をしている職業なのでしょうか。
詳しく知りたいです。

グラフィックデザインは”見た目”を操り問題を解決したり人を行動させたり出来るスキルです。
目で見る際の情報のバランスを整える技術でもあり、
他のプロダクトデザインやWEBデザインだったりにも基礎的に使われる、見た目を操るスキルです。
イラレやフォトショなどソフトが手軽に使える今では、無意識に行なっていたり、
当たり前になっていますが、突き詰めると奥は深く、
美しいグラフィックデザインを作るには
相応に難しいです。
グラフィックデザイナーの仕事の内容

グラフィックデザイナーとは情報(写真、イラスト、文字情報など)を平面上にバランスよく見やすく綺麗にまとめることが仕事で、
媒体はポスター、名刺、広告、パンフレット、カタログ、パッケージ、ロゴマークなど。
最近でバナーやサムネイルなどのWEB上でのグラフィックデザインも生まれている。(安いけど)
ゲーム、CG系
ゲームに関するデザインやCGを作成したりするデザインです。一般のデザイナーよりも難易度は高めです。
ゲームのクオリティが高くなるにつれデザインも高度なものになってきています。
印刷物、広告系
グラフィックデザイナーと言えばこちらがまず頭に浮かぶかもです。
広告のポスターやパッケージ、ロゴマークなどデザインする仕事です。
グラフィックデザイナーに必要なスキル

以前ではアナログな作業も必要でしたが、今ではほぼ全てPC上で完結します。
ですが基礎的な知識は知っておかないといけません。理由は成長が遅くなります。
グラフィックデザインは1920年代に生まれその歴史は100年ほどです。
そこから少しずつ”デザインを美しく表現する方法は何か”と先人たちが研究し進化して
一定のルールや基礎は出来上がっています。
今ある美しいグラフィックデザインはそのルールにのっとり、現代のエッセンスやアレンジを加えたものです。
なので基礎の部分を学ばず己のルールでデザインをしていくと、単純に考えて、現代のデザインを作れるようになるまで100年掛かるということです。(少し大げさです)

車輪の再発明は効率が悪いので、先人たちが編み出した基礎を勉強してからアレンジしましょう。
グラフィックデザインには、崩してはいけない基礎存在します。
- イラストレーター、フォトショップ、インデザインなどのグラフィックソフトを動かせるスキル
- レイアウトに関する基礎的な知識
- 色彩に関する知識
- フォントに関する知識
- 印刷に関する知識
- パソコンに関する基礎知識
- グラフィックデザインに関する基礎知識

細かくわけるとこんな感じです。
経験上一番習得に時間が掛かるのはレイアウトです。
ソフトの使い方が解ってもレイアウトは中々身に付かないです。
奥が深いです。
グラフィックデザインの習得にはどれくらいの時間と労力が必要なのか
印刷会社、デザイン事務所で働き、一通り習得できるまでは、早くて2年。遅いと5年は掛かるでしょう。
職業として働いていてこのくらいの時間がかかるので、独学するには少ししんどいのかなと個人的には感じています。
何より時間を意識しながら本気で取り組んで作成し、他人から本気の評価を貰う事こそ成長に繋がります。
趣味のように、納得のいく仕上りまで作業を無限に続けていてはデザイン力の成長に繋がりにくいです。

他人のために作るものである以上、他人の評価を気にしなければいけないのです。
ここで注意したいのが、あなたの作品を評価する人が正しい評価が出来る人なのかどうかです。
間違った評価を貰い続けるとグラフィックデザインの表現力は育ちません。
デザイナーは、作品を見続け観察し、作り続け少しづつ改善を繰り返し、徐々に良い物が作れるようになってきます。
階段10段飛ばしとかは中々出来ないです。
初めはデザインの良い物がなぜ良いのかすら分からないので手探りで”良いとは何か”を探すようなもので
なぜ難しいのかというと、先ほど書いた通り
グラフィックデザインには決まりや考え方やテクニックの基礎は存在しますが
どんな答えを出すかはその人に委ねられてしまうからです。

大勢の人に同じコンセプトやテーマで作品を作ったとしても、同じ物は生まれない。

ちなみに私は「結構出来るようになってきたなぁと自分で感じるまでに」5年掛かってます。
ちなみに現在でも極めたとは思っていません。
常識の固定観念や先入観が強い人などはデザイン自体が理解出来ないこともあり、そんな場合は成長が期待できないです。
これからは他の別のスキルを組み合わせる事が必要
現在の状況だと、グラフィックデザイン単体では中々稼ぐ事は難しいのかなと感じています。
WEB、ECサイト、マーケティングなど他のスキルと組み合わせるとグラフィックデザインは活きて来ます。相性が良いです。

グラフィックだけだと、ランサーズやココナラなど、言ってみたら”素人”が作ったデザインで事足りる場面が多いのかなと感じています。
それほどプロと素人の境目が解らなくなっています。
仕事としてやっている人ではなくても上手い人はいるし、プロを名乗っている人でも微妙なことも少なくないです。
グラフィックデザイナーの給料

信憑性の高い情報がありましたので紹介します。
- 平均年収 393.9万円 (IT・クリエイティブ 4 位)
- 時給換算 1,666円
- 月平均労働時間 197時間
- 平均月収 296,600円
- 平均年間賞与 379,500円
男性
年代 | 平均年収(万円) | 月給(円) | 年間賞与(円) |
---|---|---|---|
全体 | 438.3 | 328,300 | 443,500 |
20〜24歳 | 293.0 | 216,700 | 329,900 |
25〜29歳 | 373.8 | 287,500 | 287,600 |
30〜34歳 | 393.3 | 295,500 | 387,200 |
35〜39歳 | 486.9 | 354,300 | 617,300 |
40〜44歳 | 472.7 | 362,200 | 380,600 |
45〜49歳 | 584.5 | 430,100 | 684,100 |
50〜54歳 | 498.2 | 377,400 | 453,300 |
55〜59歳 | 567.2 | 416,100 | 678,800 |
女性
年代 | 平均年収(万円) | 月給(円) | 年間賞与(円) |
---|---|---|---|
全体 | 360.2 | 272,600 | 330,900 |
20〜24歳 | 267.5 | 204,200 | 224,500 |
25〜29歳 | 328.6 | 242,400 | 376,800 |
30〜34歳 | 349.1 | 273,100 | 214,000 |
35〜39歳 | 389.6 | 298,500 | 313,700 |
40〜44歳 | 369.1 | 287,900 | 236,500 |
45〜49歳 | 497.3 | 358,300 | 673,500 |
50〜54歳 | 484.1 | 359,900 | 521,900 |
55〜59歳 | 381.8 | 269,800 | 580,500 |

体感的には近からず遠からずで当たってますね。
私の場合は労働時間が200時間を超えてました。
フリーのグラフィックデザイナーの天井は年収1000万?
フリーランスとして独立した場合のグラフィックデザイナーの年収はピンきりです。
グラフィックデザイナーはその仕事の性質上、利益率は良いものの作業をしなければ売上が上がりません。オーダーメイドで作品を作らなければならないので、作業から開放されることはありません。
そのため、時間は限られているのでどうしても稼げる額には限界があります。

この方法だと、本当に大きく稼ごうとするなら、単価を上げるしか手段がないです。
しかし単価をあげるのにはかなり大変です。
信頼をつみあげて行く必要があります。
実力に大きく左右される

会社に所属していれば、集客は会社がやってくれることがほとんどですが、フリーランスになると営業活動にも時間を割かれるので、作業時間は限りなく少なくなってしまいます。
そんな中で売上を上げなければならないので、必然的に低単価な仕事を受けていてはやっていくのは難しいでしょう。
高単価な仕事をサクッと終わらせれる実力が必要です。

経験上ですが、低単価な仕事ほど大変な一面もあります。
低単価な仕事と言うのは、デザインにあまり価値を感じていない人からの仕事の場合が多く、
そういった人の仕事は、デザインに対しての共通の理解が薄いので、理由の分からない修正や変更が多くなりがちです。
理由の無い、もしくは分からないような修正を多くすればするほど己の実力UPになりません。
自信の低下や、最悪デザインが嫌いになってしまうので出来るなら遠慮しておきましょう。

相手がある事なので実際は難しいけどね
どんな人がグラフィックデザイナーに向いているのか

作業の性質上、デスクワークでかなりの時間を座って過ごします。
そして自己肯定感のある人でないと精神的に中々厳しいです。

自分ならいける、自分なら良いデザインができる
自分の周りを見てもデザイナーには、こんな自分を肯定する気持ちを持っている人が多いです。
グラフィックデザインが好きな人
人に何を言われようとグラフィックデザインが好きだと言いきれる人は強いです。
他人にやらされて出来る仕事ではなく、好きと言う感情が足りない人は早い段階で辞めて行きます。
こつこつ細かい作業をし続けられる人
経験上、一日10時間以上座っていることもありました。締め切りもありますが
本気で集中するとそのくらいの時間はあっという間に過ぎます。
仕事内容は細かい作業の塊なので、PC作業をコツコツ出来る人で無ければしんどいです。
コミュニケーション能力は高いに越した事は無い
何せ本来グラフィックデザインは、オーダーメイドでデザインを作っていく作業なので、
作るものの情報は、仕事に関わる人やクライアントとも共有しておかなければなりません。
その際にコミュケーション能力が低いと、情報を共有で出来なかったり、良い物が作れても
アピールが出来なかったりといいことはありません。

デザイナーは将来的にはディレクター(デザイナーに指示を出す監督)になる必要が出てくるのでコミュ力は大事です。
筋トレが好きな人
ちょっと話がそれますが、経験上超重要です。
運動不足と座ったままの作業が続くので、空いた時間は運動をする事を強く推します。セロトニンが
分泌されるらしく単純に気分が良くなり自信が出てきます。

より筋肉がついてくると強く感じられます。
これが重要でデザイナーをしていると、時折起こる作ったデザインに対しての批判や否定に
メンタルダメージを負ってしまいます。
それから身を守るのが自己肯定感です。それを感じやすくするのが筋トレなのです。

出来ればマシンを使った高負荷な筋トレが良いです。
筋肉痛はそれほど仕事に影響は出ません。
むしろ、心地よくなってきます。
極端な話、マッチョでネガティブな人を見た事ありますか?
グラフィックデザイナーの需要
残念ながらグラフィック単体での需要は減り続けています。アナログや紙媒体での需要は減っていき
デジタルやWEB上でのグラフィックデザインはわずかながら産声を上げています。
ただ、グラフィックデザインのPC上の技術は素人でも真似できるものなので、
下手であろうが誰でもグラフィックデザインは作れてしまいます。
プロに頼まなくても自分で作れてしまうものなのでどうしても需要は減ります。

有名人のyoutubeチャンネルでもサムネイルなどデザインが素人っぽい人はたくさんいます。
お金を掛けてまで必要だと思われていないのかもですね。
地域限定の小さなマーケットだと正直苦しい

地方で競合が多い場合は、かなりしんどいです。もともとのパイが小さいので出来る仕事が限られてきます。
地方に住んでいるけど、仕事は都会から持ってくること、または競合が全くいない地域で戦うのが理想的な環境です。
グラフィックデザイナーの就職先

デザイン事務所、印刷会社、広告代理店などがほとんどです。
実力を付けたいなら、名前の売れたデザイン事務所に就職するのが一番です。
一番お勧めしないのは地方の印刷会社のグラフィックデザインです。
小さな印刷会社の儲け方は印刷する事です。つまりデザインに料金を取らないことも少なくありません。
この状況だとデザインに価値は感じ取れず、「デザインはただ」だと思っているクライアントが集まってくるのです。

この状況はこちらのデザイン力成長には繋がりません。
休みはどのくらい取れるのか
まとまった休みは少ないです。休日出勤もごく普通にありました。
他業種の他人と比べるだけで精神的にしんどくなってしまうので
日にちごとの休みを意識せず、時間単位の休みを意識していました。
例えば私の場合、
- 2時間映画を見た後に次の仕事を頑張る
- シャワーを浴びてから仕事を頑張る
数時間単位の細かい休みを意識すると疲れにくいかもしれないです。

こうすることで、他人の休みと比べる意識をなくし自己洗脳していきます(笑)
忙しさから開放はされない

今の所、デザインは作ると言う作業することからは抜け出せないので、楽にはなりません。
ディレクターや経営者という立場になって他人に作業をゆだねない限り時間は生まれないでしょう。

少しそれますが、
作業をしているデザイナーが経営をしている場合、時間が無くて経営の事を考える時間が少ないです。
どこかで自動化や他人に任せる必要は出てきます。
グラフィックデザイナーの面接
ポートフォリオが最重要です。
仮に喋りは下手でコミュ症気味だったとしても、いい作品が作れればチャンスはあります。
極端な話、ポートフォリオだけ送り付けて仕事を貰うパターンや就職するケースも少なくないです。
それほど作れる作品は、資格を必要としないデザイナーにとって重要な要素です。
センスがないと出来ない職業なのか
10年以上デザイナーとして過ごしてきて思うのは、センスは以下で決まると言っていいという事です。
- 見てきたものの量
- 作ってきた量
- 知識の量
- 正しい評価を受けてきたか
そのどれもが、先天性なものではなく後天的に学習や経験で得られるものです。
努力して正しく評価を受けて磨かれた感覚こそセンスの正体です。


まずは、「あいつはセンスあるから」と諦めるのはやめましょう。
その人は確実に人知れず楽しんで努力をしているんです。
センスの悪いものを見て問題点が浮かばないのは致命的


ある程度、良いもの良くないものを見続けていくと、良い悪いの判断が付くようになってきます。
作品を見まくっているのにそういった判断が出来ない場合は、「なんとなく見ている」ことが考えられます。


本気でしなければどんなスキルや感覚も身に付かないです。
知識が無い頭の中では良いアイデアも改善策も浮かばない


新人の頃は、知識も少なく経験もありません。この状況では解決案も新しいアイデアも生まれにくいです。
歯を食いしばって頑張るしかないです(笑)
無いものはしかたありません。これから身に付けていくしかないし、それには相応の時間も掛かります。
遊ぶ時間も惜しんで知識をインプットしていきましょう。
と言うわけで今回はグラフィックデザインについて書いてきました。
これからデザインの分野に脚を踏み入れようと思っている方のお役に立てれば幸いです。
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