

デザイナーを続けても良い事が無いので転職しようかと思っています。
実際他の職種ってどんな感じなんでしょうか。

デザイナーって難しいですよね。
時には決断することも迫られ、デザイン業にピリオドを打つことも仕方のない事です。私もそういう人を多く見てきましたし、私自身、少し別の職種を経験したことがあります。
今回はデザイナーを卒業して、別の職種に付きたいと思ってる方、
比較的近い業種に転職しようと思っている方に向けての記事です。
筆者はグラフィックデザインを13年経験し、印刷会社のオペレーター、EC店舗の運営を経験したことがあります。
この記事は3分ほどで読み終えられます。
デザイナーからの転職【デザイナー以外の仕事について】
この記事で分かること
- デザイナーが他の仕事をするときの心境
- デザイナーの経験が活かせる職業
- デザイナーが他の仕事をするときに困ること
- 私が印刷オペレーターとして働いた経験話
- EC店舗運営をした時の話
- デザイン専門の制作会社ではなく、通常の会社のデザイン部門に入るのも手

この辺りを深掘りします。
まずはお疲れ様です。

「お疲れ様です」 まずこの言葉を送り致します。
どんな事情にせよ、ここにはデザイナーという職業に一度区切りをつけたい、これから新たな世界へ飛び出そうと考えている方が来られていると思います。
【 デザイナーからの転職】実際に他の職種についてみて感じたこと
私の場合、グラフィックデザイナーの後に経験した職業が2つほどあります。
印刷オペレーターとECサイト運営です。
①印刷オペレーター




1度デザイナーを辞めた後に、経験を活かせるだろうと思い、
かなり大手のラベル印刷のオペレーターを経験したのですが、
そこでデザイナーと違うと感じた点がこれです。
- 時間をどう使うかの自由度が低い
- デザイナーには必要だった”自分の意思や考えは不要”
- 結構縛られる感が強い
- 印刷の知識、イラレ、フォトショ等の技術は大いに活きる
大手の印刷会社だったこともあり、 当然と言えば当然ですが、 一人一人に仕事が細分化されていたのでデザイナーとは、時間の使い方が全くと言っていい程違います。
スケジュールとしてはこんな感じでした。
- 8:30出勤 ロッカールームで作業着に着替え帽子をかぶって印刷所エリアに入ります。その時に必ず手を洗う。今日行う印刷スケジュールの確認し、印刷のための紙の準備、印刷機のチェックなど行う。基本的に2人ペアで1つの印刷機を回す。
- 9:00朝礼 他の印刷機担当の人たちと合同で朝礼をする。定期的に代表で掛け声をかけないといけない。ちょっと宗教的だった(笑)
- ~12:00印刷作業 途中で印刷機が止まることもしばしばで大概が紙が内部で詰まる。そうなると1~2時間くらい中断するのでスケジュールが狂う。
- 12:00昼休憩 ペアが片方ずつ昼休憩を取る。印刷機が止まらないようにする。
- 13:00 ペアが休憩に入るので交代で印刷機のおもり。
- 14:00~17:30 ペアの休憩も終わり、ひたすら印刷作業 一応ここが定時
- 17:30~18:30 大概定時では終わらないので残業


自分たちの印刷機だけ回すだけならまだいいですが、他の箔押し、デジタル印刷機など他の印刷機との絡みもあり覚えることはかなり多かったです。
時間が無い時に、印刷機が詰まった時は絶望しかなかったですね。
デザイナーのような拘束時間は長いけどスケジュールはある程度自由というのと正反対で
徹底管理された中でひたすら坦々と印刷機を動かす日々でした。


ちょっと宗教っぽい朝礼とかありました(焦)
デザイナーはある程度自分で時間管理をするので違和感が強かったです。
印刷オペレーターは、自分の考え方や意思は必要性がなく、悪く言えば主張する事に価値がない世界と言えると思います。
会社の歯車として機械的に仕事を淡々とこなしていくことで利益を上げられる仕組みになっているので、自分自身が舵をきる必要はありません。


デザイナーよりも格段に思考停止力が必要です。
印刷データの扱いに関しては、デザイナーを経験していれば即戦力となれます。当時のオペレーターの先輩よりも知識は深かったくらいでいきなりほぼ任せてもらったくらいです。


逆に、上がってくる印刷データは雑なものが多く、イライラしたりしてました(笑)
とはいえ、このスキルが活きるのは仕事全体の10%くらいにすぎません。
印刷オペレーターで大変だった点
- 印刷機のメンテナンス
- 紙詰まりなどのトラブルで印刷機が止まると、それ以降のスケジュールが全て狂う(割と頻繁に起こる)
- 印刷工程が印刷物によって当然違うので覚えることが多い
扱っていた印刷機器が数メートルくらいあるモンスター印刷機だったので、それのメンテナンスがかなり大変でした。
正しく紙をセットし印刷を始めても、中で紙が詰まったりするのは日常茶飯事でその都度、対応していました。
下手すれば2~3時間も印刷がストップしてしまうこともあったりしてその時はイライラがかなり溜まります。


印刷機が古くなっていたこともあると思います。
こうなるとスケジュールが全て狂ってくるので、精神的にもしんどかったです。
「またか・・・」と折れてきます。
人為的なストップではなく機械のトラブルなので誰も責められません。
そして、会社独自の印刷工程があって、それどおりに動く必要がありました。その工程は種類が多く
「半年もあれば覚えられるよ」と言われていたので、


工程を覚えるだけで半年かかるってどんな量だ?
と感じていました。
デザインのやり方を覚えるのは、ものが完成していくのを感じ取れるので楽しさがあったりしますが、私はこの工程を覚えるという作業は苦手でした。
印刷オペレーターの仕事のほとんどは、紙の準備から、印刷機のメンテナンス、印刷の順番決めや段取りがほぼほぼ9割です。
元デザイナーでこの印刷オペレーターが気になっている人は、
高確率でデザイナーに未練があるような気がします。実際に元デザイナーで印刷オペレーターをしている人は多いです。
デザインが上手く出来なくて、「判断することが不要なやることが決まった仕事をしたい」と思ってしまう人が多いんです。
「その方が楽」と思ってしまいがちですが、型にはめられる苦しさはかなりのものです。
なので個人的には、少し立ち止まって考えてみた方がいいかもしれません。


オペレーターの仕事は将来性を考えてもAIに置き換わる筆頭ですよね。
そういったこともあるので立ち止まってみましょう。
こちらの動画を見てみてください。
有名なネット印刷のプリントパックの設備が分かる動画です。
もうほとんどの印刷工程が自動化されているんです。


こういった技術が発達していくと、この先中小企業もお金のある所から自動化が進んでいくでしょう。
それが出来ない印刷会社は、別の事業に移っていくか無くなるかの2択になるわけです。


印刷会社は、コンサル業に移っていくのではないかと言われていますね。
②ECサイト運営


次に経験したのがECサイト運営です。
インターネットで商品を販売するサイトの管理や運営をしていく仕事です。
気が付いた点はこちら
- 運営にはデザイナーの「デザイン思考」を大いに活かせられる
- 随所でデザインが必要になる
- とにかく数字の計算が出来ないと厳しい
- お金を使ってお金を稼ぐことに違和感を感じる
- 経営視点で運営
- SEOやマーケティングスキルが必要
ある程度、経営者の考え方やデザイン思考の出来るデザイナーであれば、徐々に結果出せる仕事になると思います。
常に数字の計算が必要なのでそこは強くないと駄目ですね。


今までのデザイナーとしての考え方だと、
お金を稼ぐ=自分の作業だったので、自分の仕事にさえ集中すれば良かったです。
しかしECサイト運営は、「自分の中から生み出す作業ではなく、儲かるように工夫をする」という作業に近かったのでこの経験はすごく勉強になりました。
サイト運営にはデザインが必要になってきます。常に問題解決をしないといけないので終わりがありませんが、大いにデザイン能力は活きてくると思います。
これからの将来性を考えた時、マーケティングと言う商品を売るという最も基本的なお金の稼ぎ方はいつの時代も不変なので将来性は高いです。
マーケティングも嫌でも勉強しないと店舗運営は厳しいです。
デザイナーからの転職理由はデザインが嫌になったのか、職場が嫌なのか


今、デザインが嫌になってるのは、努めている職場環境のせいですか?
デザイン自体が嫌いになってないのであれば、努めているデザイン環境を変える事の方が重要ですね。
錯覚していることは大いにあります。少し立ち止まって考えてみる事をオススメします。
デザイン以外の業務に神経を使っているとか、人間関係に悩んでいるとかっていうのは、
デザインをすることから考えると、本業に支障が出ている無駄な消耗だったりします。
どうか、職場の環境が嫌いだからデザインまでもが嫌いになったと錯覚しないようにじっくり考えて見てください。
他の職種でも絶対活きるデザイナーのスキル(コレがあればかなり安心かも)


実は デザイナーは、社会に置いてかなり優秀です。
一番役に立つのが、その考え方です。
「デザイン思考」が身に付いたデザイナーは、他のビジネスに置いて高い成果を出せる可能性が高いです。
デザイン思考とは簡単に言うと「強い共感力によって相手の立場に立って考える事で、アイデアを出し問題解決する」といった考え方です。相手の問題を解決するには相手の立場をリアルに感じないと解決できないですよね。


なので次の職を考える際に、技術的なスキルより
考えることが活きる領域で検討した法がいいかもしれません。
デザイン思考が活きる職業例
- 畑違いのデザイン職(業界をずらす)
- サイトや店舗運営
デザイン思考は経営にも繋がる考え方ではありますが、新たにSEOとWEBマーケティングを学びましょう。
サイト運営を経験すれば嫌でも勉強することになりますが、本当に有益です。
とりあえずこの辺りを読んでみるのがおススメかと思います。
また、デザイン専門の会社ではなく、商社のデザイン部門などちょっと方向性を変えると、扱いがガラッと変わったりもします。


スキルは多ければ多いほど良いです。
デザイン思考が活かせない職業例
勿論人にもよるかと思いますが
- 工場
- オペレーター
など、とにかく自分の考えが必要ない職業は精神的に厳しくなるように思います。
ある程度“自分に決定権のある立場の仕事”がいいと思います。
デザイナーはいつでも戻ってこれるので、割と安心してOK(得たスキルは死なない)


私も、かなり遠回りしてデザイナーという職業に舞戻ってきました。
他の職業での経験は、デザイナーにとってはこやしになるので、決して無駄にはならないです。
他の事知らないことを「知る」「実感する」ということは、デザイン力の向上に繋がります。
一人よがりになりがちなデザイナーという職業は、デザイナー以外の視点を身に付けることも重要です。
デザイナーのスキルは、不変的なものです。流行や時代で表面的なカタチは変化しますが、
根本的なところは変わりません。
なので流行のインプット作業さえ行えば、ブランクがあっても大体大丈夫です(笑)
一旦辞めて、デザインを勉強しなおすのも手です
というのも、職業訓練でデザインを勉強しなおすのも手だと思います。
デザインが出来ないのは理由があり、その点を認識し改善できていないからです。
そのほとんどは勉強することで解決するので、単純にメリットがありまくりです。






デザインスキルにかけ合わせておきたいスキル
- SEO
- マーケティング
- ライティング


これがあればかなり有能なデザイナーにクラスアップ出来るでしょう。
というわけで今回は以上です。参考になれば幸いです。
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