


今回はデザイン会社やデザイン事務所に就職する難しさについて解説します。
募集がどの程度されているのか、内定率などデータと私の経験を元に解説します。
デザイン会社に就職は難しい?【新卒と中途の違いと難易度】
- デザイン会社、デザイン事務所の就職状況
- 美術系の大学、専門学校の就職率・難易度
- デザイン会社に就職するのにおすすめできるサービス
- 新卒と中途の違い
- 美大卒の年収
- デザイン会社に就職をしたい時にするべきこと
- 挫折の原因
- 就職活動のストレス



この辺りを詳しく解説します。
デザイン会社、デザイン事務所の就職状況



電通のような大企業もかなり苦しい経営状況になっているあたり、業種によっては就職の状況もかなり厳しいです。
WEB広告、WEBデザイン、アプリ、ゲーム関係の市場は今後も伸びていくと思われるので、デザインを行う場所を変え、
業界をずらずことが出来れば仕事が減ることは考えにくいです。



業界を変えると、それに合わせたスキルも必要になるので、
簡単ではありません。
が、視点を広げてデザインが必要な業界も広がっています。
美術系の大学、専門学校の就職率・難易度



結論から言えば、デザイン会社への就職は、医者や弁護士に比べるとはるかに簡単です。
やる気があって、スクールに行って学んでポートフォリオ作って就職活動を行って、多少なり就職活動ケアをしてもらえばほぼほぼ達成できると思います。
医者や弁護士の勉強量を詳しく知っているわけではないですが、勉強量でも医者や弁護士の足元にも及ばないです。
色々な専門知識はありますが使うものは限られていてごくわずかです。



知識よりも経験や実践、作品制作が重要です。
有名どころの美大の就職率がこちらです。
「大学受験パスナビ」で検索をすれば様々な情報を調べることができます。
就職率 | 進学率 | |
東京藝術大学 | 24.1% | 55.9% |
多摩美術大学 | 64.0% | 5.7% |
武蔵野美術大学 | 55.6% | 7.9% |
金沢美術工芸大学 | 60.9% | 16.5% |
京都市立芸術大学美術学部 | 45.2% | 26.1% |
美術系の大学での就職率はあまり高くない印象です。40%~60%ほどです。
就職率に関してはここ数年で数%ですが上昇気味です。



卒業後、独立したり、起業したりアーティストになったりと就職を選ばない学生の割合が高いです。
専門学校ほどバックアップは期待できません。
一方、専門学校は、就職率90%以上の学校は割と多いです。
きちんとした教育を受け、一定以上の実力があり、さらに就職先をそこまで選ばなければ
この90%以上の就職率は難しくないのかなと思います。



この数字には、ブラック企業が含まれると思っておいた方が良いです。
ひどいところだとデザイン系以外の就職も就職率に含まれている場合があったりします。
注意しましょう。
専門学校だと、就職活動に対して腰が重い学生をバックアップする制度があったり、色々な学校とのつながりのある企業に推薦してくれたりと
大学より就職はしやすいでしょう。ただし”良い就職先”かどうかは別です。
印刷会社はどうなの?
同じような会社で印刷会社はどうなのかというと、デザインをどれだけ重要視している会社なのかでかなり差があります。
「デザインなんてそこまで重要ではない」と考えている印刷会社なら当然デザインに対する価値も低いのでやはりレベルも低いです。
レベルが低いので身に付けられるデザインスキルも低くなってきます。
また、デザインに価値を感じていない企業には、デザインを軽視するクライアントが集まる傾向があります。



結論は、デザインスキルが育ちにくいのでお勧めはできません。
が、すべてがすべて
そうではないのでなんの仕事をしているかを徹底リサーチをしましょう。
大手になるほどデザインにも力を入れている傾向が強いです。
美大卒業生の年収
卒業してから10年間ほど。20代の年収の平均値です。
東京藝術大学 | 238万円 |
多摩美術大学 | 315万円 |
武蔵野美術大学 | 315万円 |
東京造形大学 | 423万円 |
女子美術大学 | 292万円 |
京都工芸繊維大学 | 370万円 |
京都造形芸術大学 | 279万円 |
大阪芸術大学 | 299万円 |
デザイン会社に就職するのにおすすめできるサービス



デザイン、クリエイティブ系に強い転職エージェントサービスがあります。
無料でシンプルな登録さえしておけば、サービスを受けられます。
こういったサービスを使用せず自分一人で転職情報を探そうと思うとかなりムリゲーなので、転職希望なのであれば登録だけでもしておくのが良いかと思います。
求人情報などの確認もぜひぜひしてください。
新卒と中途の違い
デザイン業界は、即戦力を求めている会社が多く、新卒枠も減少傾向になっているので新卒だとハードルは高めです。
理由は、普通の就職活動と違い、準備するものも多く、合否を左右するポートフォリオは作るのが大変だからです。
逆に経験者であれば就職の難易度はそこまで高くありません。今まで自分が手掛けてきた作品がそのままポートフォリオに載せられます。
何に一番価値があるかというと、デザイナーとしての実務経験です。バイトでもデザイン事務所で働ける機会があるならやってみても大いにOKです。



就職という面では、新卒が一番きついけど、
一度就職し、実務を数年経験すれば後々、違うデザイン会社に転職する際には
かなり楽です。
なので、会社の規模はどうあれ、就職でき経験が積めるのであればネームバリューに
こだわる必要はないかと思います。
電通の例もありますし、大きい企業といえど就職⁼安心ではないです。
日本の文化はデザイナーに適した考え方を生み出しにくい
というのも、昔ほどではないにしろ、自分の意見を押し殺すような価値観は日本には根付いているように感じます。
日本人は、間違いを犯したくない、失敗したくない、恥をかきたくないといった考えが強くあり、自己肯定感もとても低いのです。
作品を見せて評価を貰うといった行動に慣れていない人は多いでしょう。
デザイナーは作品を見せることは勿論、アピールしなければならない立場なので評価をもらい、きちんと真に受け取り次に活かすことを繰り返さなければデザイナーとして実力も高めていけないです。
アメリカに留学経験のある友人の話ですが、
「自分の意見を出すということにおいて日本人と大きな差がある」と言っていました。
自己肯定感の高いアメリカ人は日本人とは違って自分の意見を積極的に言うことができます。間違ったとしても気にしないのです。
自己肯定感の高さはデザイナーにとってかなり大事です。
デザイナーの自己肯定感を高めるには、出来るだけプレゼンを多く経験することだと思っています。



プレゼンで自分の意見を伝えるという行為を多く経験していれば、
嫌でも慣れてきます。
心を折ってくるような意見が重なるとダメージは少なくないかもですが、
プレゼンの経験は財産です。
挫折の原因。運が重要なことを受け入れ就職活動のストレスを軽減する
デザイン系の就職活動は、ポートフォリオの評価も同時に受けることになるので他の業種の就職活動よりもストレスは多い反面
、認められると嬉しさ具合もめちゃくちゃ高くなります。
作品に対して否定的な意見が続いてしまうと、「デザイナー目指すの辞めようかな」とか「センスないのかな」と挫折の階段を上り始めてしまいます。
ここは運のせいにして割り切りましょう。
実際に内定には運もかなり関わってきます。
理由は以下の通り
- ポートフォリオを見る時間が短く瞬間的に判断している
- 数学的な答えのはっきりしている基準があるわけではない
- 評価の基準が必ずしも同じではなく人、会社によっても違う



解決策は
可能な限りですが、狙っている企業に受け入れられやすいように
”合わせる”ことが求められます。
ポートフォリオも企業に合わせてカスタマイズし、志望動機も合わせていきましょう。
寄り添い合わせることはデザイナーの仕事においても必要なことです。



ゴマすれってことではないよ
デザイン会社に就職をしたい時にするべきこと



- 企業を徹底的にリサーチ
- 仕事内容をリサーチ
- ポートフォリオのカスタマイズ
- 志望動機のカスタマイズ



ポートフォリオのカスタマイズは作品の順番や一番アピールしたい作品の選別です。
出来るだけその企業にとって反応のいいであろうものを選びましょう。
志望動機も同様に。
【まとめ】デザイン会社に就職は難しい?【新卒と中途の違いと難易度】
デザイン会社の就職についてまとめました。新卒の方にとっては最初の試練ですが、ポートフォリオの作成をまじめに粘り強く頑張れば多分で大丈夫かと思います。
ぜいたくを言わなければどこかに入れる可能性は大です。
この業界で何より価値があるのは、実務での経験です。経験を確実に自分の力として蓄えていきましょう。
ブラック企業も多い業界ですし、最終的には独立を目指して行動しておいたほうが良いですね。
それでは今回はここまでです。
参考になりましたら幸いです。ありがとうございました。
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